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何もせずにただ過ごしてしまうには惜しい夜、
−それが、あたら夜−
明けることが惜しいほどの今宵は、どんな夜でしょう。
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鷲田和彦作・ぐい呑みと徳利
今宵も、じっくり味わう酒がうれしいもの。
黄昏の仄かに瞬く灯りを眺めつつ、
まずは一献、ゆるり始めるとしましょう。
春風駘蕩、心地よい風を感じながら。
桜
桜を愛で、桜が語り、桜に酔う。
散りゆく桜の華やかさと哀しさ、
琴線がふるえるその舞いに、
いつまでも其処に佇んでいたい夜です。
トビウオの蕗味噌和え
ほのかな苦味に春の息遣いを感じます。
いまだけ味わえる、鮮烈さに感謝しつつ、
この時に居ることを悦びつつ。
彼の人とともに。
わかさぎのレモンオイル漬け
美酒佳肴なればこそ。
自然を食し、自然に酔うものです。
ありがたき夜は忘れがたき夜。
今宵もまた、あたら夜なりて。
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