口径　１５８ミリ（注ぎ口含む）
　全高　１００ミリ
　底部　　５０ミリ

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　何処か微笑ましい風情を持ちながら、
　その豪放磊落さが呑み手の心を刺激する。
　臆することなく堂々と酒を注ごう。
　凛とした酒であっても温もりの酒であっても
　その懐に抱きあげる。
　それは強きものが持つ優しさと、
　内に秘めたる繊細さが醸し出すわざくれ。
　詩歌何れも嗜む興趣。
　しっとりと馴染む様形は
　末の永い連れ合いとなり、
　酌み交わす酒にこそ造り手と呑み手の
　相対が生まれ行く。
　後引きのない注ぎ具合は
　究竟の美意識なり。

　口径　１３０ミリ（注ぎ口含む）
　全高　　６７ミリ
　底部　　５７ミリ

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　すっくと立ち上がる凛々しさに、
　若武者の涼やかな目線と
　老練な智慧者の熟慮がある。
　織部が織部たる所以の進取。
　その気概を秘めつつも
　決して奇を衒うに当たらず。
　深き海の大らかさと厚き山のふくよかさ、
　その緑釉に込められた心根をこそ、
　推して知るべし。
　酒を注ぐ音が夜のしじまに染み渡る。
　旨み濃き野太い酒を嗜みとする時、
　元より片口たるに足りる器量は
　一滴たりとも引き垂れることなき
　注ぎ具合を極めていること。
　ここに於いて、得るものは少なからず。

　口径　５８ミリ
　全高　４７ミリ
　高台　３６ミリ

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　肌触り潤み、その嫋やかさのなかに、
　引き締まった透徹を貫く鋭敏がある。
　色濃き釉の狭間に見ゆるは、
　恰も天空に広がりゆく茜の一閃とも。
　瞬きの間、創造と想像の融会ありて
　器の景色は極小の源流から始まり、
　いずれ広大なる奔流へと飛翔する。
　創り手の真摯なる想いが、
　呑み手への鋭敏なる卓見となり伝播する。
　小振りなるが故の魅惑、
　これ須らく凝縮し発露することは、
　酒を注ぎ入れ呑み干すに於いて、
　自ずから知ることとなるのである。
　温かき酒を嗜むも、また好し。

　口径　５５ミリ
　全高　４７ミリ
　高台　３５ミリ

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　其処に在ることが当然の如くに、
　委細自然の儘に佇んで居るのである。
　手指への納まりにその心意気を垣間見せ、
　更には気付かぬ内にすら、
　我が手我が指我が心持ちと、
　渾然一体の相性を見せるのである。
　それは在るべきものが在る必然、
　喩えて云えば画龍点睛を欠くを補う、
　その実践に他ならないのだ。
　香り華やぐ一献が冷冷と流るる。
　味わい厚き一献が滔々と流るる。
　誰そ彼の薄灯りのなか、
　この一献に込められた情愛を知る者に、
　心地良き陶酔の境地が顕在する。