口径　７０ミリ
　全高　７０ミリ
　高台　３３ミリ
　（個数：２個あり）
　

　その真摯なる美しさは、漆の本領とも
　云うべき艶の陰影を漂わせている。
　決して華美なる絢爛を極めるものではなく、
　知り尽くした者にのみ伝わる、
　秘められた麗々さ。
　溜塗りならではの、しっとりと落ち着いた
　風貌に、細やかなる金蒔きが妙なる
　趣きを添えているのである。
　煌びやかに過ぎず膳を彩る、
　この潔さに刮目すべし。
　白糸の如き美麗なる吟醸を、
　敢えて溢れる程に注ぎ入れる。
　その撥ね上がる雫に晴々しき心持ちを
　重ね合わせ呑み干すのである。
　無垢なるは我の心也と。

　口径　７７ミリ
　全高　５０ミリ
　底部　３０ミリ
　※実際の色あいは、やや深い緋色に近いものです。

　端整なるその佇まいには、
　決して騒くことのない品格がある。
　その平穏、その格調、その軽み、
　何れを以ってしても、斯くの如き流麗なる
　美の全てを語り尽くすには至らない。
　柔肌に触れる心の機微を知る者こそ、
　この器の真髄にある密やかな魅力を
　堪能するのである。
　吟の文字の意味する処を知り、
　山紫水明の如く清々しい酒を注ぐべし。
　其処に気負いも衒いもなく、
　迸る美酒に酔うだけで良いのである。

　口径　７３ミリ
　全高　３５ミリ
　底部　４９ミリ
　※実際の色あいは、やや深い緋色に近いものです。

　凛々しい立居振舞である。
　光明はその曲がることを知らず、
　如何にも晴れやかな面持ちで座している。
　素肌の内には深々たる陰影を見出し、
　淡々として巡る彩りにこそ、
　馥郁たる色香が満ち溢れる。
　山吹に透き通る純米の旨みか、
　香り揺蕩う吟醸の誉れか、何れの酒をも
　毅然として包んでくれるであろう。
　それは夜毎の悦楽であり、
　また締め括りなのである。
　傍らに在ることの愛おしさを込めて。

　口径　６１ミリ
　全高　５０ミリ
　底部　３８ミリ

　心持ちの静寂と供に、木地の温もりには
　魅かれて止まない万象が在る。
　武骨に見えながらも繊細に彫り込まれた
　素の器肌、嫋やかな指掛かりが
　自ずから物間を近しくして呉れるのある。
　眺むるに好し、掌中に収むるに好し、
　然り酒膳にその内なる床しさを
　添えるのである。
　芯から香味のある酒で過す宵に、
　器の妙味が映えるのである。　
　懐かしき想いに惑溺する事すら、
　吝かではないのは云うまでも無し。
　存分に浸るべし。