口径　６０ミリ
　全高　４４ミリ
　高台　３６ミリ

　琴線を捉えて放さぬ瞬きに感嘆す。
　駆け抜ける力と漲る意志、
　暫しその勇躍なる姿に見惚れていよう。
　小振りの酒器に創見の誉れを見て取るに、
　吝かなことは何も在りはしない。
　美味し酒には器という伴侶がいる必然。
　そのことを等閑にしてはならないのだ。
　透き通る清流の如き淡麗な酒も良し、
　威風堂々と味わい太き濃密な酒も好し、
　何れも遠慮なく呑み尽くすがいい。
　夜の深き焦点が心持ちに映る頃、
　美酒に浸る悦びと共に、この器あるべし。
　加えて、時満ちるを待つ。

　口径　　２５ミリ
　胴径　　８４ミリ
　全高　１２５ミリ

　小振りながらコクのある味わいをみせる
　徳利である。
　焼き締めの吸い込まれるような深みに、
　呑み手の心も躍る。
　想いを醸し出すとは、こんな酒器で
　呑るときであろう。
　一日の終りをゆるりと過ごしたい時には、
　旨みの酒を注ぎ、じわり味わっていたい。
　どこか懐かしいような、
　ふと琴線に触れる風情である。

　口径　　３７ミリ
　胴径　１１５ミリ
　全高　１３５ミリ

　豪胆なロクロ目、両手にも余るほどの風格、
　酒を呑むという悦楽を知らしめてくれる。
　たっぷりと注げるこの徳利は、
　独酒よりも知己と呑る酒に向いている。
　しっかりした味わいの純米酒を
　大胆に注ぎ入れ、共に酔いたい。
　地肌に酒焼けが現れてくるころには、
　誰のものでもない、自分だけの酒器という
　愛着が極まるだろう。

　口径　１３０ミリ
　全高　　７８ミリ

　大振りの片口だが、
　しっくり手になじんで注ぎやすい。
　お気に入りの酒を生（き）で呑るには
　外せない酒器である。
　しつらえの中にあっての存在感は流石。
　自然釉と造りが大胆さを演出しており、
　本醸造のキレや純米のコクが似合うこと
　この上もないが、偶には吟醸の華やかさとの
　相対を気取るのも、これ一興。